日本がグローバル化したのは、そんなに昔のことではなさそうです。1987年にトヨタ自動車が北米進出してケンタッキー工場を作ります。その頃、アメリカの自動車市場で強かったのはGMとフォードでしたから、車を作った経験者はトヨタになど来てくれません。

日本での作業手順を導入し、アメリカ人従業員とのやり取りを通じて、業務マニュアルを整備していったようです。その結果、アメリカでも高品質の車が作れるようになりました。そのときの工場長が張富士夫さんです。1999年にトヨタ社長になっています。

2001年、トヨタウェイを策定。2004年頃には、世界2位のフォードにあと一歩のところまでに達しました。あのトヨタでも、グローバル化してから、まだ20数年とも言えます。可能性のある会社が、日本には、まだたくさんあるはずです。大いに期待しています。

  

日本がものづくりで世界を席巻したことがありました。1980年代から90年代のことです。ピークを打ってから、だんだん本音が語られるようになりました。日本の電機メーカーの幹部が、アメリカの企業幹部から、穏やかに辛辣な指摘を受けた話があります。

日本のモノ作りは素晴らしいと思ったと…過去形での話です。部品まで圧倒的な作りこみで、これでは到底かなわない、お手上げ状態だと感じたということでした。ところが、一つの規格ができると、その中では本当に完璧だけど、そこから踏み出していない…と。

日本の構想力が思いのほか弱いことに気づいたとのことです。日本が圧倒的だった1985年に、アメリカではヤングレポートが出され、知的資産を重視する方向が示されました。構想力で勝負しようとしたのです。いまの日本で必要なのは構想力だろうと思います。