本を読まないと、知識の習得で、不利になります。文字に固定された文章は、動きません。記述したものは、繰り返し確認することができますし、別の人たちと同じ文章について語ることもできます。記述と読解は、知的活動に不可欠なものです。

最近は、本を読まない人たちが多くなってきています。これはリスクのあることです。知識が重要視されるようになって、専門領域が大切にされるようになると、基本的な文献を読んでいないこと自体が、遅れにつながります。読むのが前提ということです。

読んだからすごいのではなく、読まないことにリスクがあります。読む習慣をつけておかないと、不利な立場に置かれかねません。文章の意味を取っていくことは、こちら側からの働きかけになります。体がなまらないように運動をするように、練習が必要です。

  

どうやら日本の出版点数も、底打ちしそうな気配になってきました。日本では本の売れない時代が続いていましたが、いつ反転するのか、注目しています。欧米では、すでに2017年から2018年頃に、出版点数が底打ちして、いまでは出版点数も拡大中です。

本を読むことと、知的活動のレベルには、ある種の相関関係があるだろうと思います。本を読むということは、自分から働きかけることですから、積極的な活動です。受け身ではなくて、働きかける活動を継続することによって、積極性が養われることでしょう。

小学生も中学生も、2000年から比べると、2倍くらい読書量が増えています。これは影響があるはずです。いまの若手のビジネス人が、本を読むようにならなくても、あと5年10年したら、様子が変わる可能性が高くなってきました。意識しておくべきでしょう。

  

目標管理が大切だと改めて感じたという話を聞きました。真面目な勉強家が、マネジメントの本をいくつか読んでみたようです。本を読みながら、マネジメントにおいて重要なのは、目標を設定して、それを達成するための目標管理だと痛感したとのこと。

何で目標が大切なのでしょうか。目標とは、どんな性格なのか、そのあたりから見えて来るものがあるでしょう。目標とは客観基準で示すものです。客観水準を示すことで、目標が達成できたのか、できなかったのかがわかります。明確性が大切なのです。

目標という概念が出来たから、マネジメントが成立したとも言えます。目的と手段が、従来からの発想でした。科学的な思考が生まれて、客観的、合理的な判断を意識するようになります。科学的な思考を導入することによって、マネジメントが成立したのです。

  

イタリア・ルネサンスの時代には、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロがいて、芸術の歴史の中でも、ある種の究極的な時代でした。彼らが、絵や彫刻、建築など、一つの分野だけでなく、様々な分野で活躍したのはご存じのとおりです。

このころから、工房で芸術を身につけるべきか、アカデミーで指導を受けるべきかという、二つの考え方があったとのこと。ダ・ヴィンチは、アカデミーでの指導が正しいという立場でした。学問と同様に、知的に、言葉で伝えるべきだという考えだったようです。

アカデミー方式では、手取り足取りではなく、考え方や、実践の方法、あるいはコツを教えることになります。ビジネスでも、言葉で教えることを意識しないと、スピードの速い時代には、うまくいきません。知識の時代、言葉の時代がやってきたといえるでしょう。

  

  

チャットボットの導入コストが、劇的に下がっています。かつては1,000万円を超えていたこともありましたが、今や10万円を下回るコストで利用できるようになってきました。もし、お客様対応をする部門があったなら、使わない手はないでしょう。

しかし導入して成功している事例は、少数派のように思います。技術的な進歩があるのに、不思議な気もしますが、問題は技術ではありません。チャットボットに記憶させるデータのほうが問題です。必要情報が記述されていなかったら、AIは対応しません。

マニュアルは、標準となる手続きを記述するものです。「こうすれば、こうなる」ということ、「こうするのが良いです」ということ、これらを示さなくてはいけません。様々な角度から聞かれたときに、対応できる記述がないと、十分な回答が出せないのです。

  

マニュアルを電子化するのは、もはや当たり前のようになってきました。作成した文書で操作や業務を確認することになります。この時、電子媒体を使うということです。しかし場合によっては、電子媒体ではなくて、紙のマニュアルを使うこともあります。

しかし電子媒体で使うにしろ、紙で使うにしろ、いまや手書きのものは、ごくまれになってきました。デジタル入力された文書があるはずです。この文書の出来具合が問題になってきています。必要なデータを入力すると、チャットボットとして使えるからです。

電子化したマニュアルを、データとしてチャットボットに記憶させて、さて十分な対応をしてくれるでしょうか。実験してみると、マニュアルの質が見えてきます。ほとんどが、そのままではうまくいきません。マニュアルを検証する新たな方法とも言えます。

  

仮説を作るときに、ある種のプロセスがあります。「仮説→実行→検証」という流れです。まずは頭で考えて、実行できる形にしたものを、実践して、その反応から仮説の正しさを評価すること。より良いものへと修正していく仕組みと言ってよいでしょう。

仮説ですから、正しいとは言い切れません。失敗のリスクも低くないでしょう。そうなると、小さく始めるしかありません。ささやかで着実な実行が重要です。このとき、検証が大切になります。検証とは、どうすることか? 測定して比較することです。

あるべき姿と比較するには、指標が必要になります。定量化したり、水準到達を判定する測定方法と基準が必要です。しかし絶対的な判定方法や基準がないので、間違えます。それでも測定し続けるしかありません。この試行錯誤が、仮説を成功に導く鍵になります。

ビジネスにおいて、大きな変化の一つが、徐々に明らかになっています。従来よりも、一人の力の影響が大きくなっているということです。圧倒的なアイデアがあれば、それを実現できる可能性が大きくなりました。アイデアを評価できるのか、それが問題です。

組織で多数決にかけたアイデアは、しばしば平均的なものになって、大きな成功をおさめることはまれでしょう。多数のアイデアの中から、圧倒的な成果を上げるのは、尖がっているものと、相場が決まっています。それを組織が採用できるかどうかが問題です。

たいてい新鮮なアイデアというものは、少人数の集団や、個人から出てきます。それを促進して、いいものを見出せる組織が強い組織でしょう。アイデアを歓迎し、いいものが採用できる仕組みが作れるかどうか、これが組織の基礎力というべきものだと思います。

  

頭の中に思い浮かんだことの中から、記録に残しておきたいものを選んで、それを文字に残したものが、メモです。いったん文字にして、思考を固定化していますから、それを発展したり、整理したり、変更したり…と、つまりは修正が効く存在になります。

こうして思い浮かんだメモを、もう一度見返して、修正して、記録しておくことが大切です。そうしておかないと、この世の中から消えてしまったように、思い出せなくなりかねません。大切なものほど、記憶が蘇らないものだと思っておいた方が安全です。

いつ使えるかわからないことでも、デジタル化してまとめておけば、検索がかけられます。埋もれるリスクが格段に減りました。メモしてパソコンに保存しておいたという記憶があれば、利用できます。知的生産が、デジタル化によって革命的に変化したのです。

   

目的と目標は違うものです。目的には、価値観が入ります。「なぜそれをするのか」という問いに対する答えが、目的と言えるでしょう。個人も組織も社会的存在だからこそ、社会から承認される行動指針が必要です。それはいいねと、思ってもらえないと困ります。

とはいえ最初から、そんな話はできそうにありません。まずは仕事が継続できるように、おかしなことだけはしないようにして、収益を上げていきます。そこから始めて、段々、社会から承認されるように、その方向に向かっていく。それが自然な流れでしょう。

かつてピーター・ドラッカーが一番大切な質問をあげていました。「あなたは、どんな存在だと、人々から記憶されたいのか」というものです。今後の指針を考えるときに、役に立つ質問でしょう。あるべき姿を、どう描くのか、この質問がヒントになりそうです。