人間があるべき姿を描くとき、どんな方法をとるものでしょうか。価値観が絡みますから、簡単に標準化はできないかもしれません。しかしたぶん、ある種の標準的な方法があるはずです。例えば組織ならば、困ったことの解決が目的になります。この点は共通です。

すでに「困ったこと」という共通の価値観がありますから、それを展開していくことになります。まさに共通基盤でモノを考えるということです。おなじ前提を置いて、会話が成立する条件を整備すれば、広い領域での標準化が可能になることでしょう。

あるべき姿から、具体的な行動に至るまで、必要最低限のルールに基づいて、組織は標準形態を作っていく必要があります。業務の標準化によって、そこで発生するノイズが小さくなるのです。いかに的確で快適な形態を構築できるか、組織の能力が問われています。

  

マネジメントというのは、現状をあるべき姿にするための方法というべきものです。IT分野の人ならば、おなじみの「AsIs」と「ToBe」という言い方があります。現状の「AsIs」をあるべき姿である「ToBe」に変えるという発想は一番基本的なものです。

あるべき姿を描くためには、どういうことがよい姿なのか、価値観が問われます。各人の良心に従って、かくあるべしということを考える…ということです。まずは「こうあるべき」ということを明確に定義していくことが必要になります。

「こうあるべき」…が明確なら、その達成方法は、いずれ見出されるものです。そうすれば実践に移せるでしょう。達成方法が妥当なものならば、結果が「こうなるはず」だ…と予測が可能になります。妥当な達成方法を生み出すものが、マネジメントです。

  

文章を書く場合、手にペンを持って、紙に文字を書いていくのが、かつては普通でした。いまでは、パソコンなどの電子機器がありますから、キーボードを打つのが普通です。手で文字を書いていた人たちのものは、文字通り書く感じがします。

しかし慣れてしまえば、手で書くよりも、キーボードを打つ方が負担が少ないでしょう。文章というのは、プリントアウトしなくても、画面で読める状況になっていれば、書いたことになります。一番基礎的な、アナログとデジタルの融合とも言えるでしょう。

紙に書いたり印刷されたものと、画面で見るものでは、同じ文章でも読むときに、違いが生じます。画面で見る場合、さらりと読み飛ばし気味になるはずです。それを考慮して、読点を多めにしたり、項目を立てたり、画面で見やすい文章にする必要があります。

  

新しい働き方として、ジョブ型の人事を進めようという話があります。実際に成功した事例が、ほとんど聞こえてきません。成功事例が少なすぎます。当然かもしれません。日本の組織で、ジョブ型人事が成功させるのは、簡単なことではないと思います。

私たちは、一つ一つの業務…つまりはジョブを定義してきませんでした。だから、ジョブの定義から始めなくてはなりません。しかし、ジョブをどう定義したらよいのでしょうか? 最初から的確な定義はできないでしょう。でも、ここから始めるしかありません。

なぜか? 今後、ジョブ型の人事が不可欠になる組織が出てくるはずですから。世界トップ水準を狙う組織なら、プロフェッショナルな仕事が不可欠だと気づくはずです。そういう人に仕事を任せる場合、ジョブの定義は基礎になっています。